6/11(木)お昼ご飯 炒飯

6/11(木)お昼ご飯 炒飯

あいつが再びやってきた…。

  

親知らず

 

前回歯医者さんへ伺った時は抜歯が出来なかった為、投薬で改善したのだが、数日前から噛み合わせに違和感を覚え、時折頭痛や顎近辺の痛みがやってきた。

気が付かない振りをしていたが、これは前回の症状と全く同じなのである。

意を決して妻に伝えると「歯医者さん行きなさい」と、デジャブのような言葉が返ってきた。

 

僕は何故、歯医者が苦手かと言うと、口の中に異物を入れられると「おえー」となってしまう。

それは「嘔吐反射」というものらしいが、立派な名前がついてもダメなものはダメである。

その拒絶ぶりは凄まじく、風邪で喉を見てもらった際に、あまりにも「おえおえ」言う僕に激怒したお医者さんが「もうあなたの喉は知りません」と匙を投げたほどだ。

 

歯医者さん、行きたくない…。

その想いが最高潮に達した時、僕は意外な行動に出た。

 

「突然すみません。親知らずが痛くて…。本日十九時から予約取れますでしょうか?」

 

妻よ。幸運を祈っておくれ。

 

歯と胸を痛める僕を、鼓舞してくれる炒飯。

美味しそうなお昼ご飯を見て、元気を取り戻すのはいささか現金な気もしなくはないが、一旦棚に上げて炒飯に喰らいつく。

 

「うめぇ………」

 

焦がし醤油の味付けが、たまらない。

お米一粒一粒にしっかりと味が染みており、どこから食べてもその美味しさに死角はない。

妻の技術と想いには天晴の一言。

大量のお米を統治するその様は、加賀百万石の祖 前田利家のようだ。

 

妻の「かかれー!」という言葉を合図に、炒飯に向かってスプーンを投じる。

匙を投げられた僕がその役目を仰せつかまつるとは、何とも痛快な話である。

 

炒飯に喰らいつけば喰らいつくほど、その美味しさに骨抜きにされてしまう。

 

要所要所で現れるウインナーの存在も頼もしい。

これがあるだけで、炒飯のグレードはさらにアップする。

 

炒飯の鼓舞によって、歯医者さんに怯えていたあの頃の僕は、もういない。

 

前回、歯医者さんへ伺う前に僕はこう書いた。

「美味しい妻の料理を味わえるのも、健康な歯があってこそ」

まさにその通りだ。歯も体も心も健康にして、妻のご飯をいつまでも堪能させて頂こう。

 

ひとまず僕は、嘔吐反射に効く「天突」というツボを押さえながら、膝を震わせていた。

 

妻に感謝し、完食。ごちそうさまでした。

・まとめの一言

美味しかった。