3/30(月)お昼ご飯 二色弁当

3/30(月)お昼ご飯 二色弁当

妻を描き始めてから、思うことがある。

「なんてはっきりとした目鼻立ちなんだ」と。

追加オーダーでこうも思う。

「これは失敗できない」と。

勝手に始めた道楽に失敗もへったくれもない気がするが、妻を描くということは最低でも実際通りに美しく描かなければならない。

言わば、高級食材を調理するようなものだ。

廃棄されるような出来損ないの食材を、美味しく調理することができたのであれば、それは賞賛に値する。

しかし、何をせずとも美味しいことが約束されている高級食材を、より輝かすということは相当の技術が必要なのだろう。

 

もしかしたら僕は、割と難しいことを趣味にしようとしているのかもしれない。

 

鏡の前には廃棄寸前の顔面が写ったが、全く描く気にはなれなかった。

 

涙をこらえながら、午前中を乗り切る。

わっぱ弁当の蓋を開ける。

昨日、二人でテレビを見ていた時、「二色弁当」の話題が放送されていた。

集中して見ていた訳ではないが、それをきっかけに、心の奥底では二色弁当が潜んでいたのだろう。

とどのつまり、何が言いたいかと言うと、「すっごい嬉しい」。

 

おそらく妻も、心の深海では二色弁当が遊泳していたはずだ。

そしてそれをこのタイミングで釣り上げ、お弁当に登場させる勘の良さが素晴らしい。

「あっぱれ」と小さく呟き、二色弁当に喰らいつく。

 

「うめぇ………」

 

鶏ひき肉の味の違いにすぐさま気がついた僕は、妻飯検定何級なのだろうか。

いつも以上にガツンとくるスパイシーな美味しさ。

これを味わったからにはご飯が進む。

 

あまりの美味しさに、妻に真偽のほどを確かめたところ、「いつも薄いから(僕は全くそう思わない)濃いめを意識しました」とのこと。

本当に美味しかった旨を伝えると、「やったあ!」との返信が。

うん。可愛い。

 

そしてその感動的な美味しさの立役者は、鶏ひき肉だけではない。

 

ふわふわの卵。

 

この存在が、安らぎと甘味を与え、二色弁当を完成へと導いてくれる。

一気にかき込んだ時の、鶏ひき肉と卵とご飯が口一杯に広がるこの多幸感は、初めてグローブを買ってもらったあの日に似ている。

  

様々な感動や喜びを掘り起こしてくれる妻のお弁当は、幸せのスコップなのかもしれない。

 

これを見た妻から「幸せのスコップって何?」と詰問されないことを、今はただ祈るのみだ。

 

妻に感謝し、完食。ごちそうさまでした。

・まとめの一言

美味しかった。