1/26(日)夕ご飯 豚の角煮

1/26(日)夕ご飯 豚の角煮

稚魚のような二日間を過ごしたからこそ、今日という日が映える。

今日は間違いなく妻の料理が食べられる。

その事実を抱えている僕の目は血走り、獣のように牙を剥いている。

 

いや、油断は禁物。

血走った目で獣のように牙を剥いていたら、おそらくお巡りさんに気付かれる。そしてトントン拍子で職務質問だ。

そんなことをしていたら妻の料理が食べられない。

出来るだけニコニコしておこう。

 

いや、油断は禁物。

僕みたいな人間が何もないのに一人でニコニコして歩いていたら、おそらく職務質問される。そしてトントン拍子で署に連行だ。

出来るだけ普通にしておこう。

 

いや、油禁。

僕みたいな人間は「普通ってどうすればいいんだ…?」と考えだしてどつぼに嵌り、結果的に挙動不審になって署に連行される。そしてトントン拍子で

 

なんてくだらない助走をかましている暇はない。

ぐだぐだ言う前に、妻の料理に集中しよう。

これぞ、パーペキ(「パーフェクト+完璧」という意味。高校の進路担当の先生が言ってました。最高)

「美味しそう」よりも先に「美しい」が出てくる料理もなかなかないだろう。

それでいて美味しいのだから、ずるい。

極限の空腹状態に放り込むは、豚の角煮。

 

「うっめぇ!」

 

妻の目を見て、声を張る。

狙ってそうした訳ではない。

自然とそうしてしまう美味しさがあった。

 

コクと甘味があるタレは豚肉にしっかり絡みつき、ガツンとくる濃厚なパンチを僕に見舞う。

さらに豚肉の旨味もかっさらった卵が追い打ちをかける。

そのダメージが残っている内に、米を喰らう。

 

これこれこれ。

 

納得の幸せを感じながら、豚汁をすする。

 

あれ?ちょっと薄い?

そう感じた矢先、流水のような美味が体の中を通り抜けていった。

 

なんだこの時間差の美味しさは。

 

その理由を妻に尋ねると「角煮が濃いから、ちょっと味を抑えたんだよね」とのこと。

角煮の後だから薄く感じてしまったが、それは高度なフェイントテクニックだった。

濃い味が消えてから現れる、豚汁の本当の実力。

妻は時間さえも駆使して、僕に驚きを与えてくれる。

 

そしてそれらをリセットする為に用意されたキャべポン。

キャベツとポン酢の爽やかさが口の中をリフレッシュ。

そのおかげで豚の脂も重くならない。

  

全てが計算し尽くされた夕ご飯を味わえば、より己の料理のロークオリティを実感してしまう。

 

しかし、そのことにさほどショックを受けていない僕は、根っからの「妻飯」ファンなのだろう。

 

妻に感謝し、完食。ごちそうさまでした。

・まとめの一言

美味しかった。