11/10(日)夕ご飯 サンマ

11/10(日)夕ご飯 サンマ

出張最終日。

僕は仕事へ。妻は実家へ。

仕事を終えて妻に電話をかけると、妻の声は空気を入れたてのバスケットボールのように弾んでいた。

よほど楽しかったのだろう。僕は一人、これ以上ない幸せを噛み締めていた。

妻は今日、僕の実家へ行っていたのだ。

常々「一人であなたの実家に行きたい」と言っていた妻。
その言葉だけでも充分なのだが、実際に行動に移す所が僕の涙腺をほどよく刺激する。

昨日、妻が僕にこう告げた。

「お母さんとおばあちゃんと、女子会楽しんでくるからね」

妻の宣言は達成されたようで、電話の後に送られてきた写真には、キラキラとした笑顔の女子三人が写っていた。

こんなに気持ちの良い疎外感を、僕は味わったことがない。

妻、母、祖母。

「敵わない人」が多くいてくれる事に感謝しながら、出張を乗り切る。

玄関のドアを開ける。

見事なまでの「和食」

見ているだけで惚れ惚れしてしまう。
しかし、これらの品々を見ているだけで満足するほど、僕はまだ人間が出来ていない。

まずはお味噌から口に運ぶ。

美味しい………。

出張の疲れを吹き飛ばしてくれる至極の一杯。具材は、豆腐・油揚げ・わかめ、という文句のつけようのないラインナップ。これは最高の出だしだ。

そして本日のメイン、サンマを頂く。

あぁ……。美味しい………。

今年は不漁と言われていたが、徐々に漁獲量が増えているとのこと。
その影響か、近所のスーパーでもお手頃価格に近づいてきたサンマ。

妻が丁寧に仕込んで塩焼きした身は、この世の物とは思えない幸せを運んでくれた。

「大根高かったから、買わなくてごめんね」

大根おろしがないことを詫びた妻だが、頭を下げる必要は全くない。
むしろその好判断に拍手。

さらに拍手を送りたいのは、五目豆。
一見、レトルトのお豆さんかと思ってしまうが、実はこれ、妻が一から作り上げた作品。

見た目もさることながら、圧巻なのはその味。

旨味、深味、甘味。

これらを全て味わえる五目豆に、僕は豆鉄砲を食らった鳩のようになってしまった。

厚揚げとじゃがいものピリ辛煮も、しっかりと味が染みていて、サンマの代わりにメインを張れるほどの美味しさ。

出張で疲れているはずなのに、妻の料理に関してはいつまでも語っていられる。

気が付くと僕のお腹は、空気を入れたてのバスケットボールのように膨れていた。

妻に感謝し、完食。ごちそうさまでした。

・まとめの一言

美味しかった。