7/4(木)お昼ご飯 ウインナー

7/4(木)お昼ご飯 ウインナー

昨晩、見事な手作りパンを完成させた妻。

その味、見た目、食感、全てに感動を覚えたが、それ以上に心震える出来事があった。


パンの作成に使用したホーローの容器は、以前僕の母から貰った物。
妻はとても喜び、これで何か出来るのでないかと考えた結果、手作りパンに辿り着いた。

完成したパンを二人で堪能していると、妻が思い出したように喉を揺らす。

「そういえば、お母さんにラインしちゃった」

小学生の頃に、学校から電話が掛かってきた時のような緊張感が僕を包む。

「な、なんで?」

潔白の身だが、妻から母への連絡は、なぜかいつもドギマギしてしまう。
逆もまた然り。

「内緒」

へいへいへい。
妻の顔から察するに、緊張感が不要な話題とは分かるが、やはり気になる。

困惑する僕の表情を楽しんだ後、妻は全貌を明らかにしてくれた。

ホーローの容器をくれた母にお礼のラインを入れたとのこと。
パンの途中経過の写真も添えて。

母の喜ぶ顔が、ぼんやりと浮かぶ。

男兄弟の我が家にとって、こんなに気の利く娘は、どれだけ可愛いことか。

申し訳なさと誇らしさが並び立つ。

「今度は、出来立て持ってお家に行こうね」

そう言ってパンを持つ妻を、僕は脳細胞に叩き込んだ。

手作りパンの余韻に浸りながら、午前中を乗り切る。

わっぱ弁当の蓋を開ける。

あー、ピクニックがしたい。

そう思わせる、この「お弁当」感。

ウインナーと卵とトマト。
このおかずだけで心躍らせる技術は、少ない技で会場を盛り上げるリックフレアーのよう。

ケチャップがかかったウインナーを口に運ぶ。

ウインナー、美味しい!

子供のような感想を、思わず口に出してしまいそうになる。
パリッとジューシーなその口当たりは、僕に童心を思い出させてくれる。

大人とは思えない破顔を浮かべ、僕はすぐさまご飯を頬張る。

口いっぱいにご飯を頬張る。
妻がいたら、確実に怒られる。

ゆっくりと咀嚼し、心の中で妻に弁解。

「ウインナーが美味しくてつい…」

舌の根も乾かぬ内に、半熟のゆでたまごを頬張る。

これでもかというほどの半熟卵に、これでもかというほど眉間に皺を寄せる。

あと5個、いや10個は食べたい。
叶わぬ願いを、雨雲へ願う。

この梅雨が明けたら、妻のお弁当を持って、ピクニックへ出かけよう。

妻はお弁当を持って。
僕はグローブとボールとバットとラケットとシャトルとけん玉とフリスビーを持って。

現地に到着したら、妻に弁解することになるだろう。

「ピクニックが楽しみでつい…」

妻に感謝し、完食。ごちそうさまでした。

・まとめの一言
美味しかった。